~第四章~ アイルランドの大マグロ (続編)
続き
なんとか
その場をやり過ごした辻。
ここで、握られた手をはなして
「ほな、さいなら」
なんて、
「言えるかっ!」
その後
僕に会話の主導権を握らせることもなく
彼女は言いました。
「この後、抜け出してどこか行かない?」
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「行きません。」
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辻はここで
シャコ貝よりも固い
殻を張りました。
(勝った)
しかし、彼女はそれでも
めげない強い心を持っていました。
(松岡修造か)
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「なら、あそこに二人で座ろう」
(「なら」という言葉、便利すぎるやろ)
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しかし、今回
シャコ貝よりも
固い殻を身につけた辻の殻は
ちょっとやそっとでは
割れません。
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「ちょっとトイレだけ行かせて...」
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自分の口から
咄嗟に出てきた
この言葉。
自分でも思いました。
この世でいちばん
ダサい逃げ方を
したと。
しかし、
どんなにダサい逃げ方でも
逃げれたら勝ちなのです。
そこで、僕は
手を振り払い
必死に、死に物狂いで
トイレに走りました。
まるで、走れメロスのように。
そのメロスは本の中でこう言いました。
「間に合う、間に合わぬは問題ではない。」
「人の命も問題ではない」
「もっと恐ろしく大きいもののために
走っているのだ」
恐ろしく大きいもののために走る。
あれ、、、
思いあたる節が筆者にはありました。
大きい→大マグロ→彼女
恐ろしいもの→ハロウィーンでの悪魔のコスプレ
→彼女 ↑
(口が裂けるように見せるメイク)
恐ろしいなんて口が裂けても
彼女に言えないですが。
そして、
その時、気づきました。
僕が、走る理由
それは
メロスが走る理由と同じ
だと。
しかし、メロスと一つだけ
違う部分が僕にはありました。
それは、
人質が「自分自身」であるということ。
結果、
トイレに逃げ込むことに成功した僕。
それでも、
トイレが安心なスペースであると言われているのは
まさしく、地震が来た時だけでした。
ここから
この物語は
筆者も予測ができなかった展開に
進んでいくのでした。
~第五章~に続く
最後までお読みいただきありがとうございます。
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