~第六章~ アイルランドの大マグロ(続編)
続き
様子をみて
(探偵か、お前は)
もともと居た
ダンスの輪に合流した僕。
そこには、
もちろん
今日が、最終日の親友(アルゼンチン人)
トト君が居ました。
トト君 「どこ行ってたの?」
僕 「トイレやで。」
トト君 「長かったね。」
僕 「まあ、いろいろあったねん。」
ここで唐突に
トト君 「ありがとね。僕と出会って、
遊んでくれて。」
僕 「ううん、こちらこそ。」
「ってか、急になに言いだすねん。」
トト君 「言っときたかったんだ。最後に。」
「カイトは本当に楽しい時間を僕に
くれたからさ。」
僕 「泣いてしまおうか。」
いつも家に行き、一緒にご飯を作り
海外旅行にも二人で行った
僕の海外でできた
初めての友達
トト君。
そんなトト君との
残り僅かな
限られた時間の中での
たわいのない会話。
僕とトト君が
互いに
言葉と言葉を紡いで
織りなされていく
美しい会話。
その最中、
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
現れました。
.
.
.
.
.
.
奴です。
.
.
.
.
普通マグロ漁師なら
一度逃した大マグロが
引っ掛かった時
両手を掲げて
大喜びをすることでしょう。
そう、普通のマグロ漁師なら。
そして、さっそく
その一匹、一尾、いや一本は
(生きているマグロは「匹」、
水揚げされたものは「本」と数える)
私をダンスに誘ってきました。
(腰のフリフリダンスを習得して)
しかし、そんじょそこらの若者とは
一線を画する筆者。
ここで、負けてたまるかと
親友トト君に
「絶対、行かんからな。」
と
告げました。
(友達に告げてどうなんねん)
すると、弱冠18歳純粋無垢
穢れも汚れも便所掃除も知らない
トト君は
こう言いました。
.
.
.
.
.
「可哀想だよ。」
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
すまん、、、
.
.
.
.
.
.
そうだった。
大切なことを忘れていた。
男たるもの
女性のお誘い
それを無下にしたら
親から貰った「海杜」
という名が廃る。
.
.
.
.
.
.
.
「それでも無理。」
.
.
.
.
.
.
.
え。
え。
え。
.
.
.
はい、廃れました。
鶏肉よりも早い賞味期限で。
そこで
トト君はすかさず提案
「じゃんけんして、カイトが勝ったら
誘いに応えなよ。」
「もし、僕(トト君)が勝ったら、
何もしなくていいからさ。」
いわゆる男気ジャンケンというもの。
大マグロの知らない舞台裏で
このようなことが行われていました。
そして、
AKBよりも、
めざましテレビよりも
運命を大きく左右するジャンケン。
.
.
.
.
.
.
.
.
「最初はグー、じゃんけんポイ!」
.
.
.
.
.
.
.
~第七章~へ続く
最後までお読みいただきありがとうございます。
Instagram: _kaitonon11
twitter :@kaiboku0402